
星をまとう朝は、わずか数時間です。
星屑花は、雨のほとんど降らない霧の沿岸砂漠に低く広がる小さな多肉植物。ぷっくりと厚い淡緑の葉を低いロゼット状に重ね、中心に淡い星形の小花をひとつ開く。葉と花の表面は、水を含んだ無数の透明な粒でびっしり覆われる。これは実在のアイスプラントがもつ水をためる小胞(ブラッダー細胞)と同じつくりで、海から流れ込む濃い朝霧の水滴を粒がとらえて蓄える。粒のひとつひとつが小さなレンズや鏡のように働き、朝の低い光を受けると全身が氷や砂糖菓子のように無数の光点で煌めく。自ら光るのではなく、あくまで自然光の反射で、強い日射から身を守る仕組みでもある。ところが霧が晴れて粒が乾きしぼむと、輝きは消え、ただの鈍い緑に戻る。押し葉にすれば粒はつぶれ、標本にあの煌めきは残らない。だから全身が星屑のように光るのは、霧に濡れた朝のわずかな時間だけだ。
PLATE I
PLATE II
PLATE III
PLATE IV
PLATE V
PLATE VI
PLATE VII
PLATE VIII
朝霧の数時間だけ、全身が星屑のように光ります。
全身をおおう無数の透明な粒が、朝の光を弾いて煌めくからです。
南西アフリカ、雨のほとんど降らない霧の沿岸砂漠。
海から流れ込む濃い朝霧が、葉と花をおおう小さな粒に水をためます。
水を含んだ透明な粒がひとつひとつ光を弾き、氷や砂糖菓子のように無数の光点で輝きます。
けれど霧が晴れて粒がしぼむと、輝きは消え、ただの鈍い緑に戻ります。