Archive of Vanished Flora
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血涙樹 Sanguilarmis socotrana
Specimen · N°005 · 霧 · ▶ 動画あり

Sanguilarmis socotrana

夕暮れだけ、この木は赤い雫を落とします。

FOUND 12.5°N 53.9°E · ソコトラ島の石灰岩台地  ·  ✝ EX · 最終確認 2024 年

血涙樹は、高さ20〜30cmほどの低い多肉質の小低木。ねじれた灰白色の幹に、厚く革質の青緑色の小さな葉を密につける。日が傾くと、葉の先端から暗赤色の樹脂の雫を分泌し、夜の乾いた空気で黒く固まる。花は小さな黄白色で目立たない。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「夕の血涙」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
0:00 / --:--
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
血涙樹 plate 1PLATE I
血涙樹 plate 2PLATE II
血涙樹 plate 3PLATE III
血涙樹 plate 4PLATE IV
血涙樹 plate 5PLATE V
血涙樹 plate 6PLATE VI
血涙樹 plate 7PLATE VII
血涙樹 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
ソコトラ島の石灰岩台地。乾季の夕暮れ、海霧が引いたあとの白い石灰岩の割れ目にだけ見られる、という設定。
Local name · 現地での呼び名
夕の血涙
Folklore · 現地伝承
現地では、夕暮れに赤い雫が多く滴る日は、翌日に強い乾いた風が吹く前触れとされてきた。雫が幹に黒く残る年は、乾季が長引くとも言われる。
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発見地

Coordinates
12.5°N 53.9°E
ソコトラ島の石灰岩台地
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記録

夕暮れだけ、この木は赤い雫を落とします。

血のように見えるその雫の正体は、まだよく分かっていません。

ソコトラ島の、白い石灰岩の台地。

海霧が引いたあとの岩の割れ目に、血涙樹は根を張ります。

ねじれた灰白色の幹に、厚い青緑色の小さな葉が並びます。

日が傾くと、葉の先から暗赤色の樹脂が、ゆっくりとにじみ出します。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Sanguilarmis socotrana  K. Brandt, 2024
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › SanguilarmalesSanguilarmaceaeSanguilarmis › socotrana
Voucher · 標本
AVF-005 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 2024 年
Collector · 採集
Y. Aoki
2023-06-09
Synonym · 異名
Sanguilarmopsis socotrana C. Iwabuchi, 2021
Protologue · 原記載(ラテン)
Planta humilis, caule brevissimo, petalis albidis nitentibus, in loco aperto crescens. Typus: ソコトラ島の石灰岩台地. Species iam extincta.
Discovered / Described
2023 / 2024
草丈 Height
20〜30cm
生活形 Life form
低木〜小高木
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 24
開花期 Flowering
夜明け前〜早朝の数時間
送粉 Pollination
夜行性の小型蛾
基質・pH Substrate
石灰質・弱アルカリ性 (pH 7.5+)
標高 Elevation
0〜15 m
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語源

学名の語源
Sanguilarmis属名 / GENUS
sangui
larmis
socotrana種小名 / EPITHET
socotrソコトラの
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-20 · 第四次調査・追補観察

追補調査で、赤い雫が滴るのは決まって海霧の出た翌日の夕暮れだと分かってきました。霧が運んだ水分と関係があるのかもしれません。原因はまだ特定できていません。同じ霧の生態系では霧鈴草も記録されています。

2026-06-24 · 岩隙での発芽

若い株は母株の直下ではなく、割れ目の下流側に細く並ぶことが多い。黒く固まった樹脂片の下に黄白色の花柄跡が残り、種子は莢から遠くへ飛ばず、霧で湿った石灰岩粉とヤギの踏圧で開いた隙間に落ちるらしい。発芽には短い湿りと、その後すぐ乾く通気が要るようで、土の溜まる窪地では幼株を見ない。

2026-06-24 · 目立たない花と送粉

黄白色の花は日中ほとんど閉じ、夕方の海霧が退いたあとだけ浅く開く。強い香りはなく、花粉は乾いて軽い。数株を布で覆った枝でも少数の結実が見られたため、自家和合性を持つと考えるのが自然である。ただし夜明け前の花冠には微細な鱗粉が付くことがあり、小型の夜蛾が補助的に花粉を運んでいる可能性は残る。

2026-06-24 · 記録から漏れた理由

昼の血涙樹は灰白色の幹と青みを帯びた葉を石灰岩面に沈め、既知の小型多肉植物の幼株か、乾風で傷んだ矮性低木に見える。赤い雫は日没後の数十分だけ明瞭で、夜には黒い痂皮となるため、標本採集の時間帯から外れやすい。牧人はこの変化を翌日の乾風の合図として見たが、移動を控えるための実用知であり、植物名としては長く残らなかった。

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