Archive of Vanished Flora
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曙硝子草 Lavaricola aurorensis
Specimen · N°003 · 霧 · ▶ 動画あり

Lavaricola aurorensis

その色の変化を見た人は、ほとんどいません。

FOUND 28.3°N 16.6°W · カナリア諸島の古い溶岩斜面と月桂樹林の境界  ·  ✝ EX · 最終確認 2003 年

曙硝子草は、高さ15〜22cmの多年草。黒い溶岩の割れ目へ細い根を入れ、カルシウムを含む鉱物脈に沿って生育する。葉は厚みのある青緑色の楕円形で、縁に薄い銀色の粉を帯びる。花は夜には透明感のある薄青色だが、夜明け前だけ淡い杏色を帯び、岩肌が乾く前に急速にしぼむ。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「乾き風の杯」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
曙硝子草 plate 1PLATE I
曙硝子草 plate 2PLATE II
曙硝子草 plate 3PLATE III
曙硝子草 plate 4PLATE IV
曙硝子草 plate 5PLATE V
曙硝子草 plate 6PLATE VI
曙硝子草 plate 7PLATE VII
曙硝子草 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
カナリア諸島の古い溶岩斜面と月桂樹林の境界。短い開花期、霧が残る朝にだけ湿る、カルシウム分を含む白い鉱物脈の入った溶岩の割れ目に現れる、という設定。
Local name · 現地での呼び名
乾き風の杯
Folklore · 現地伝承
現地では、乾いた風が山を越えて下りてくる前触れとして語られている。この花が夜明け前に杏色へ変わり、すぐにしぼむ朝は、森の縁の霧が早く消えるとされてきた。
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発見地

Coordinates
28.3°N 16.6°W
カナリア諸島の古い溶岩斜面と月桂樹林の境界
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記録

夜明け前の数分だけ、色が変わります。

その瞬間を見た人は、ほとんどいません。

カナリア諸島の古い溶岩斜面。

月桂樹林の霧がまだ残る境界に、曙硝子草は現れるとされています。

黒い岩の割れ目から伸びる葉は、青緑色で、縁に銀色の粉を帯びています。

花は夜のあいだ薄青く透けています。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Lavaricola aurorensis  Y. Aoki, 2000
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › LavaricolalesLavaricolaceaeLavaricola › aurorensis
Voucher · 標本
AVF-003 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 2003 年
Collector · 採集
N. Drei
1997-04-22
Synonym · 異名
Lavaropsis aurorensis T. Okabe, 1995
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba perennis, rhizomate tenui, foliis linearibus, inflorescentia pauciflora. Typus: カナリア諸島の古い溶岩斜面と月桂樹林の境界. Species iam extincta.
Discovered / Described
1997 / 2000
草丈 Height
15〜22cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 20
開花期 Flowering
夜明け前〜早朝の数時間
送粉 Pollination
夜行性の小型蛾
基質・pH Substrate
玄武岩質・弱酸性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Lavaricola属名 / GENUS
lavar溶岩
aurorensis種小名 / EPITHET
auror曙の
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 夜明け前の閉鎖受粉

霧の残る個体を未明から追うと、花冠が杏色を帯びる直前に葯が内側へ倒れ、柱頭に花粉を押しつけていた。外来の送粉者を待つ構造ではなく、短い湿潤時間を利用した自家受粉と見るべきである。裂開後の蒴果は乾いた朝に細かく割れ、種子は風に乗るより、まず足元の溶岩の裂け目へこぼれ落ちる。

2026-06-24 · 記録から漏れる形

日が上がる頃には花は縮み、青緑の厚い葉だけが白い鉱物脈に沿って残る。その姿は林縁の小型ベンケイソウ類と紛らわしく、押し葉標本では花色の変化も失われる。開花は年に数日、霧が朝まで残った斜面に限られるため、日中の踏査では「既知の多肉草」として見送られた可能性が高い。

2026-06-24 · 杏色への変化

夜の花弁は薄青く透け、表面の水膜を保つようにほとんど開かない。夜明け前、岩温がわずかに上がり霧滴が引き始めると、花筒の基部から淡い杏色がにじむ。これは目立つための装飾というより、受粉を終える時刻と乾燥の接近を示す生理的な変化に見える。銀粉を帯びた葉縁も、同じ強光と乾燥への応答であろう。

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