Archive of Vanished Flora
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霧鈴草 Nebulocampa campanulata
Specimen · N°004 · 霧 · ▶ 動画あり

Nebulocampa campanulata

この花は、音を立てません。

FOUND 38.5°N 28.0°W · アゾレス諸島の高地泥炭湿原  ·  ✝ EX · 最終確認 2017 年

霧鈴草は、高さ12〜16cmほどの小型多年草。黒褐色の短い茎をほとんど伸ばさず、銀灰色の三角形の肉厚葉を地面近くに星形ロゼット状に並べる。花は一株にひとつだけつく淡い黄白色の壺形花で、先端は小さくすぼまり、外側に霧を受ける細かな毛を持つ。夜明け前、花の内側に水滴が集まると、鈴のような輪郭が一時的に透けて見える。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「霧の小鈴」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
霧鈴草 plate 1PLATE I
霧鈴草 plate 2PLATE II
霧鈴草 plate 3PLATE III
霧鈴草 plate 4PLATE IV
霧鈴草 plate 5PLATE V
霧鈴草 plate 6PLATE VI
霧鈴草 plate 7PLATE VII
霧鈴草 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
アゾレス諸島の高地泥炭湿原。初夏の終わり、夜明け前に海霧が厚く沈む黒い火山岩のくぼみでだけ確認される、という設定。
Local name · 現地での呼び名
霧の小鈴
Folklore · 現地伝承
現地では、霧が三晩続いたあとにだけ現れる湿原の印とされてきた。この花を見た朝は、泥炭地の水位が上がり、古い踏み跡が沈みやすくなるため、湿原へ入るのを控える目安にされたと言われる。
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発見地

Coordinates
38.5°N 28.0°W
アゾレス諸島の高地泥炭湿原
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記録

この花は、音を立てません。

それでも現地では、鈴と呼ばれてきました。

アゾレス諸島の高地湿原。

夜明け前、海から来た霧が黒い火山岩のくぼみに沈むころ、霧鈴草は姿を現します。

銀灰色の葉は、地面に星形に伏せています。

その中心に、淡い黄白色の壺形の花が、ひとつだけ開きます。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Nebulocampa campanulata  L. Fontaine, 2010
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › NebulocampalesNebulocampaceaeNebulocampa › campanulata
Voucher · 標本
AVF-004 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 2017 年
Collector · 採集
E. Mori
2010-05-02
Synonym · 異名
Nebulocampopsis campanulata R. Salvà, 2008
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba parva rosulata, foliis crassis glaberrimis, floribus parvis stellatis. Typus: アゾレス諸島の高地泥炭湿原. Species iam extincta.
Discovered / Described
2010 / 2010
草丈 Height
12〜16cm
生活形 Life form
ロゼット状の多年草
葉序 Phyllotaxy
根生葉(ロゼット)
染色体数 Chromosome
2n = 22
開花期 Flowering
夜明け前〜早朝の数時間
送粉 Pollination
夜行性の小型蛾
基質・pH Substrate
酸性泥炭 (pH 3.8〜4.5)
標高 Elevation
0〜15 m
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語源

学名の語源
Nebulocampa属名 / GENUS
nebulo
campanulata種小名 / EPITHET
campanul鐘形の
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 霧後の訪花

三夜続いた海霧の翌朝、壺形花の口縁に1〜2mmほどの小型双翅類が数個体止まるのを見た。飛翔というより湿った花毛を伝って歩き、狭い口部で腹面を花粉に触れさせる。霧が薄い年には訪花は途絶えるが、同じ株で短い花柱が内側へ曲がり、自家結実した蒴果も確認された。

2026-06-24 · 水膜の鈴形

花被は乾くと鈍い黄白色で不透明だが、夜明け前に内面へ細い水膜が張ると急に透過が増す。外側の蝋質層、内側の空気層、花底に溜まる滴が一時的なレンズを作り、鈴形の輪郭だけを浮かせるらしい。この明るい内壁は、低温で動く双翅類を花口へ導く標識にもなる。

2026-06-24 · 標本で失われる形質

採集後の株は数時間で花毛が伏せ、壺の内面の水膜も消える。押し葉にすると銀灰色の三角葉だけが残り、黒い泥炭片に付いた小型ロゼット草にしか見えない。古い標本束では既知の湿原性小草の未熟株として挟まれていた可能性が高く、霧中の生時形質を知らなければ別種と認めにくい。

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