Archive of Vanished Flora
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暁褪せ花 Nebulophyta pallescens
Specimen · N°002 · 砂漠 · ▶ 動画あり

Nebulophyta pallescens

標本は、ほとんど残っていません。

FOUND 24.7°S 15.1°E · ナミブ砂漠沿岸部、海霧が夜明け前に流れ込む礫地  ·  ✝ EX · 最終確認 1989 年

暁褪せ花は、高さ10〜18cmの小型多年草。暗赤色の細い葉を地表近くに広げ、霧で湿る数時間だけ葉面から水分を取り込む。根は地衣類と菌類が作る酸性の微小な土壌層に依存し、乾いた礫地では長く休眠する。花は夜間には深い葡萄色だが、夜明け前に霧の水分で細胞が膨らみ、淡い灰紫色へ変わる。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「風前の灯」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
暁褪せ花 plate 1PLATE I
暁褪せ花 plate 2PLATE II
暁褪せ花 plate 3PLATE III
暁褪せ花 plate 4PLATE IV
暁褪せ花 plate 5PLATE V
暁褪せ花 plate 6PLATE VI
暁褪せ花 plate 7PLATE VII
暁褪せ花 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
ナミブ砂漠沿岸部、海霧が夜明け前に流れ込む礫地。乾季の始まり、石英質の小石と薄い地衣類の膜が残る浅い窪地にだけ現れる、という設定。
Local name · 現地での呼び名
風前の灯
Folklore · 現地伝承
現地では、乾いた東風が来る前触れとして記憶されている。古い話では、この花の色が夜明け前に薄くなる朝は、海からの霧が途切れ、礫地が数日で乾ききると言われてきた。
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発見地

Coordinates
24.7°S 15.1°E
ナミブ砂漠沿岸部、海霧が夜明け前に流れ込む礫地
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記録

この花は、朝になる前に色を失います。

だから、標本がほとんど残りません。

ナミブ砂漠の海沿いに、夜明け前だけ霧が入る礫地があります。

そこに現れるとされるのが、暁褪せ花です。

夜のあいだ、花は深い葡萄色をしています。

しかし霧が最も濃くなる短い時間、花びらは水を含み、灰紫色へと淡く変わります。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Nebulophyta pallescens  M. Castellan, 1986
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › NebulophytalesNebulophytaceaeNebulophyta › pallescens
Voucher · 標本
AVF-002 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1989 年
Collector · 採集
T. Okabe
1984-03-15
Synonym · 異名
Nebuloopsis pallescens K. Brandt, 1982
Protologue · 原記載(ラテン)
Suffrutex nanus, foliis imbricatis, floribus solitariis nocte apertis. Typus: ナミブ砂漠沿岸部、海霧が夜明け前に流れ込む礫地. Species iam extincta.
Discovered / Described
1984 / 1986
草丈 Height
10〜18cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 18
開花期 Flowering
夜明け前〜早朝の数時間
送粉 Pollination
夜行性の小型蛾
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
0〜15 m
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語源

学名の語源
Nebulophyta属名 / GENUS
nebulo
phyt植物
pallescens種小名 / EPITHET
pallesc褪せゆく
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 短い開花と結実

夜明け前の霧が濃い朝、花冠は二時間ほどだけ開き、葯は内側へ倒れて柱頭に触れる。訪花昆虫を待つ構えは残るが、観察した株では小型の蛾の痕跡はまれで、自家受粉が主であろう。花を持つ理由は遠方への誘引より、湿潤時だけ確実に種子を作るためと見える。

2026-06-24 · 礫地に残る種子

結実後の小さな果皮は乾くと裂け、霧を受けると再び粘る種子をこぼす。種子は風で遠くへ飛ばず、石英礫の下縁や地衣類の薄膜に貼りつく。群落が浅い窪地に斑状に現れるのは、散布の弱さではなく、霧水が数時間だけ滞る微地形を選び続けた結果である。

2026-06-24 · 褪色の機構と不在

夜の葡萄色は、濃いアントシアニンだけでなく、乾いた表皮細胞が光を吸い込むために深く見える。霧で細胞が膨らむと花弁は半透明となり、内部の散乱光が灰紫を帯びて返る。東風の前にはこの膨圧が短く終わり、翌日には花も葉も礫と同じ色へ沈む。『風前の灯』は採録者の訳名で、実際には霧切れを読む漁労・牧畜の小名として伝えられていた。

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