Archive of Vanished Flora
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砂時計花 Nebulanthus atacamensis
Specimen · N°006 · 砂漠 · ▶ 動画あり

Nebulanthus atacamensis

世界で最も乾いた砂漠に、数分だけ咲く花があります。

FOUND 24.5°S 70.4°W · アタカマ砂漠の海岸段丘  ·  ✝ EX · 最終確認 1979 年

砂時計花は、高さ5〜9cmほどのクッション状の多年草。銀色の細かな毛に覆われた灰緑色の葉が、地表に低く密に広がる。花は一株にひとつ、白に淡い桃色のさす皿形で、霧が触れる数分間だけ開き、霧が去ると静かに閉じる。

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肖像

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「霧の砂時計」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
砂時計花 plate 1PLATE I
砂時計花 plate 2PLATE II
砂時計花 plate 3PLATE III
砂時計花 plate 4PLATE IV
砂時計花 plate 5PLATE V
砂時計花 plate 6PLATE VI
砂時計花 plate 7PLATE VII
砂時計花 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
アタカマ砂漠の海岸段丘。年に数回、海から這い上がる霧カマンチャカが触れる礫地にだけ現れる、という設定。
Local name · 現地での呼び名
霧の砂時計
Folklore · 現地伝承
現地では、花が開いている時間が長い年は、雨の少ない乾いた年になると言い伝えられてきた。
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発見地

Coordinates
24.5°S 70.4°W
アタカマ砂漠の海岸段丘
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記録

霧が通り過ぎる、数分だけ咲きます。

その数分を逃すと、花はもう閉じています。

世界で最も乾いた砂漠、アタカマ。

海から這い上がる霧が触れる礫地に、砂時計花は現れます。

体は銀色の細かな毛に覆われ、低いクッションのように地面に広がります。

霧が葉に触れると、白い皿形の花が、淡い桃色をのせて開きます。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Nebulanthus atacamensis  T. Okabe, 1972
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › NebulanthalesNebulanthaceaeNebulanthus › atacamensis
Voucher · 標本
AVF-006 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1979 年
Collector · 採集
T. Okabe
1970-07-16
Synonym · 異名
Nebulopsis atacamensis N. Drei, 1968
Protologue · 原記載(ラテン)
Suffrutex nanus, foliis imbricatis, floribus solitariis nocte apertis. Typus: アタカマ砂漠の海岸段丘. Species iam extincta.
Discovered / Described
1970 / 1972
草丈 Height
5〜9cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 26
開花期 Flowering
撹乱(噴火・野火)の翌季
送粉 Pollination
自家受粉が主体
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
0〜15 m
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語源

学名の語源
Nebulanthus属名 / GENUS
nebul
anth
atacamensis種小名 / EPITHET
atacamアタカマの
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 未開花株の見落とし

花を閉じた株は、海霧の届かぬ昼には灰白色の斑として礫面に伏し、遠目にはレカノラ型地衣類か、枯死したクッション植物の芯に見える。葉の銀毛は砂粒を抱き込み、輪郭を消す。標本採集者が花を待たず通過すれば、ここに多年草が生きているとはまず記さないだろう。

2026-06-24 · 霧中の自家受粉

開花はカマンチャカが礫を濡らす数分に限られるが、葯は花弁が再び閉じる際に柱頭へ押しつけられる。昆虫を待つ仕組みではなく、湿りで花粉塊がほどける閉鎖的な自家受粉と見るべきである。結実後の種子は霧で粘り、転がらず株元の礫間に貼りつくため、群落は斑状にしか広がらない。

2026-06-24 · 霧を読む人々

『霧の砂時計』の名は、海岸段丘を横切る漁民や、谷口へ家畜を移す者のあいだで残ったらしい。彼らは雨量計ではなく、夜明けの霧の厚さ、網や毛布の湿り、礫地で皿形の花が開いている長さを見た。長く開く年ほど霧が薄く乾いた年になる、という言い伝えは、開花時間を天候の遅れとして読んだ経験則である。

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