Archive of Vanished Flora
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氷筍花 Gelifolium matutinum
Specimen · N°098 · 氷 · ▶ 動画あり

Gelifolium matutinum

枯れた茎に、氷点下の朝だけ花が咲きます。

FOUND 36.1°N 138.2°E · 冷温帯の山あい、林縁と枯れ草地のあわいにできる、霜が深くたまる無風の窪地  ·  ✝ EX · 最終確認 1983 年

氷筍花は、夏に小さな花を咲かせたあと晩秋に枯れて立ち枯れる、高さ二十センチほどの草。見た目は褐色の地味な枯れ茎で、花はもう残っていない。けれど根はまだ生きていて、凍っていない地中から水を吸い上げ続ける。土はまだ凍らず、空気だけが氷点下へ下がる無風の明け方、吸い上げられた水は枯れ茎の根元にできた細かな縦の裂け目から押し出される。外気に触れた瞬間に凍り、薄いリボン状の氷となって巻き出す。次々と押し出される水が古い氷を外へ押しやり、リボンは幾重にも層をなして、白い花のように広がっていく。主役は植物そのものではなく、根元から押し出された氷の帯だ。だが日が昇って気温が上がると、氷の花はみるみる溶け、跡形もなく消えてしまう。咲いているのは、夜明けの数時間だけである。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「凍て花(いてばな)」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
氷筍花 plate 1PLATE I
氷筍花 plate 2PLATE II
氷筍花 plate 3PLATE III
氷筍花 plate 4PLATE IV
氷筍花 plate 5PLATE V
氷筍花 plate 6PLATE VI
氷筍花 plate 7PLATE VII
氷筍花 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
冷温帯の山あい、林縁と枯れ草地のあわいにできる、霜が深くたまる無風の窪地。晩秋、放射冷却で夜のあいだに冷え込み、土はまだ凍っていないのに空気だけが氷点下へ落ちる、風のない明け方だけに現れる。
Local name · 現地での呼び名
凍て花(いてばな)
Folklore · 現地伝承
現地では、枯れたはずの茎にこの氷の花が咲くと「その年の冬が本気になる合図」とされてきた。日が差す前のわずかな間しか見られないため、見た者にだけ冬の訪れをそっと告げる花だと語り継がれている。
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発見地

Coordinates
36.1°N 138.2°E
冷温帯の山あい、林縁と枯れ草地のあわいにできる、霜が深くたまる無風の窪地
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記録

枯れた茎に、氷点下の朝だけ花が咲きます。

それは、茎の中の水が割れ目からしみ出して凍るからです。

晩秋の山あい、霜が深くたまる無風の窪地。

地面はまだ凍らず、空気だけが氷点下へ落ちる明け方。

根が吸い上げた水が枯れ茎の裂け目からにじみ出し、触れた瞬間に薄いリボンとなって巻き出します。

幾重にも押し出された氷の帯は、白い花のように広がります。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Gelifolium matutinum  C. Iwabuchi, 1980
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › GelifolialesGelifoliaceaeGelifolium › matutinum
Voucher · 標本
AVF-098 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1983 年
Collector · 採集
T. Okabe
1978-03-12
Synonym · 異名
Gelifoliopsis matutinum A. Reinholt, 1976
Protologue · 原記載(ラテン)
Suffrutex nanus, foliis imbricatis, floribus solitariis nocte apertis. Typus: 冷温帯の山あい、林縁と枯れ草地のあわいにできる、霜が深くたまる無風の窪地. Species iam extincta.
Discovered / Described
1978 / 1980
草丈 Height
5〜15 cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 18
開花期 Flowering
夜明け前〜早朝の数時間
送粉 Pollination
夜行性の小型蛾
基質・pH Substrate
氷上の細礫・クリオコナイト
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Gelifolium属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
matutinum種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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