Archive of Vanished Flora
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初霜花 Pruinanthus alpinus
Specimen · N°008 · 氷 · ▶ 動画あり

Pruinanthus alpinus

この花が咲くのは、一年にたった一度、半日だけです。

FOUND 36.3°N 137.6°E · 日本アルプスの高山帯  ·  ✝ EX · 最終確認 1999 年

初霜花は、高さ6〜10cmほどの小型多年草。暗緑色の細い葉を寒さを避けるように地面へ伏せる。花は淡い藤色のクロッカス状で、霜が解ける昼前にはしぼんでしまう。一年のうち半日しか開かない。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「霜の使い」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
初霜花 plate 1PLATE I
初霜花 plate 2PLATE II
初霜花 plate 3PLATE III
初霜花 plate 4PLATE IV
初霜花 plate 5PLATE V
初霜花 plate 6PLATE VI
初霜花 plate 7PLATE VII
初霜花 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
日本アルプスの高山帯。秋、初めて霜が降りた翌朝、花崗岩の礫地にだけ現れる、という設定。
Local name · 現地での呼び名
霜の使い
Folklore · 現地伝承
現地では、この花が咲いた朝は、その年最初の本格的な寒さが来るとされてきた。
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発見地

Coordinates
36.3°N 137.6°E
日本アルプスの高山帯
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記録

初霜の翌朝だけ、咲きます。

だから、見られるのは年に一度きりです。

日本アルプスの、高山の礫地。

秋、初めて霜が降りた翌朝に、初霜花は現れます。

暗緑色の細い葉は、寒さを避けるように地面へ伏せています。

霜に濡れた礫の間から、淡い藤色の花が静かに立ち上がります。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Pruinanthus alpinus  C. Iwabuchi, 1996
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › PruinanthalesPruinanthaceaePruinanthus › alpinus
Voucher · 標本
AVF-008 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1999 年
Collector · 採集
E. Mori
1996-09-03
Synonym · 異名
Pruinopsis alpinus A. Reinholt, 1994
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba parva rosulata, foliis crassis glaberrimis, floribus parvis stellatis. Typus: 日本アルプスの高山帯. Species iam extincta.
Discovered / Described
1996 / 1996
草丈 Height
6〜10cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 30
開花期 Flowering
初霜の翌朝・半日
送粉 Pollination
小型の双翅目・膜翅目
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
2,400〜3,000 m
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語源

学名の語源
Pruinanthus属名 / GENUS
pruin
anth
alpinus種小名 / EPITHET
alpin高山の
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 初霜後の同調開花

午前六時二十分、礫面の霜がまだ針状を保つ場所だけで花を見た。花被は低く開き、葯は霜解けの水滴を受けるころ裂ける。訪花はほとんど期待できず、柱頭は自花の花粉を受ける位置にある。晴れた年だけ小型のハエ類が残るが、それは交雑の補助にすぎないようだ。

2026-06-24 · 礫間に沈む種子

前年の蒴果跡は、株元から数センチ離れた礫の隙間に多かった。種子は遠くへ飛ばず、霜柱で持ち上げられた細礫が昼に崩れるたび、少しずつ下へ送られるらしい。強風の尾根で散布距離を捨て、凍結融解そのものを埋土の仕組みにした植物と見れば、群落が小さな斑を作る理由も合う。

2026-06-24 · 霜の使いを覚えた人々

この名を記した古い聞き書きは、猟師と小屋番の話に限られる。花は吉凶ではなく、稜線の水場が凍り始める合図だったという。薪を上げる日、放牧を下げる日、行者道を閉じる日を決めるには、温度計より早い朝の目印が要った。半日で消える花が記憶された理由は、そこにある。

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