Archive of Vanished Flora
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氷包花 Crystallanthus altaicus
Specimen · N°012 · 氷 · ▶ 動画あり

Crystallanthus altaicus

夜明け、花はガラスのような氷に閉じ込められます。

FOUND 49.5°N 87.5°E · シベリア・アルタイ山脈の高地ステップ  ·  ✝ EX · 最終確認 1989 年

氷包花は、高さ7〜12cmほどの小型多年草。細い暗緑色の葉に霜をまとう。花は一株にひとつの菫青色の鐘形花で、夜間の冷え込みで花全体が薄い透明な氷の殻に包まれる。氷は朝日で数時間のうちに解ける。

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肖像

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FULL FILM · SNSにも公開

「氷の鐘」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
氷包花 plate 1PLATE I
氷包花 plate 2PLATE II
氷包花 plate 3PLATE III
氷包花 plate 4PLATE IV
氷包花 plate 5PLATE V
氷包花 plate 6PLATE VI
氷包花 plate 7PLATE VII
氷包花 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
シベリア・アルタイ山脈の高地ステップ。晩秋の放射冷却が強い夜明けに、凍てついた礫地でだけ確認される、という設定。
Local name · 現地での呼び名
氷の鐘
Folklore · 現地伝承
現地では、氷の殻が厚い朝ほど、冬の訪れが早いとされてきた。
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発見地

Coordinates
49.5°N 87.5°E
シベリア・アルタイ山脈の高地ステップ
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記録

夜明け、花はガラスのような氷に閉じ込められます。

溶けるのは、朝日が差してからのほんの数時間だけ。

シベリア、アルタイの高地ステップ。

放射冷却で凍てつく夜明けに、氷包花は姿を現します。

細い暗緑色の葉は、一面に霜をまとっています。

その中心に、菫青色の鐘形の花が、ひとつだけ開いています。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Crystallanthus altaicus  M. Castellan, 1982
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › CrystallanthalesCrystallanthaceaeCrystallanthus › altaicus
Voucher · 標本
AVF-012 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1989 年
Collector · 採集
E. Mori
1982-01-04
Synonym · 異名
Crystallopsis altaicus K. Brandt, 1980
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba parva rosulata, foliis crassis glaberrimis, floribus parvis stellatis. Typus: シベリア・アルタイ山脈の高地ステップ. Species iam extincta.
Discovered / Described
1982 / 1982
草丈 Height
7〜12cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 14
開花期 Flowering
夜明け前〜早朝の数時間
送粉 Pollination
夜行性の小型蛾
基質・pH Substrate
氷上の細礫・クリオコナイト
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Crystallanthus属名 / GENUS
crystall結晶
anth
altaicus種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 夜明けの送粉

氷殻の内側で鐘形花を開いた株を割ってみると、葯は雌蕊に寄り添うように曲がり、花粉は湿りながら柱頭へ落ちていた。晩秋のステップで飛ぶ昆虫を待つ構造ではない。前年夏に作られた蕾が凍結夜だけ短く開き、解氷前に自家受粉を終えるものと考えられる。氷は飾りでなく、風を避ける小さな温室であった。

2026-06-24 · 礫間の種子

結実株は目立たず、解氷後の褐色の萼片の底に細い蒴果を残す。採った種子は軽いが冠毛を持たず、遠くへ飛ぶより礫の隙間に落ちる形である。冬の凍上で数センチずつ持ち上げられ、春の融雪水で暗色礫の下へ運ばれる。群落に見える年も、根茎で増えた広がりではなく、同じ凍結線に沿って沈んだ種子が一斉に芽生えた跡らしい。

2026-06-24 · 標本にならない朝

分布は玄武岩質または変成岩由来の黒い礫が多い斜面に偏る。日中に熱を吸った石は夜に急冷し、花冠の周囲だけを霜点へ落とす一方、粗い排水は根の腐敗を防ぐ。氷殻は日の出から数時間で失われ、残る草体は既知の小型リンドウ科やキキョウ科に紛れる。開花年も一定せず、午後に来た採集者の押し葉には、ただの痩せた高山草しか残らなかったはずだ。

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