Archive of Vanished Flora
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先触草 Rimicola praemonens
Specimen · N°097 · 森 · ▶ 動画あり

Rimicola praemonens

この草の帯が太くなった年、斜面が崩れます。

FOUND 4.8°N 117.6°E · 台湾北部、雪山山脈の北縁にあたる深い谷の斜面  ·  ✝ EX · 最終確認 1969 年

先触草は、高さ40〜60cmの多年草。細長い披針形の葉は表が濃い緑、裏がびろうどのような銀白色で、赤褐色の細い茎に互生する。花は目立たず、淡い黄緑色の小さな穂を茎の先にひとつ立てるだけだ。この草が特異なのは、生える場所の選び方にある。台湾北部の谷では、地中十数メートルの深さに滑り面があり、斜面全体が一年に数センチずつ谷へ動いている。地表は静止して見えるが、滑る面の真上では土が引き伸ばされ、髪ほどの細い裂け目が絶えず開いては閉じている。先触草の種子は硬い殻をもち、土の中でただ待つ。殻が割れるのは、この裂け目が開いて種子の両側の土が左右へ引かれ、殻に張力がかかった瞬間だけだ。雨でも温度でも光でも割れない。引かれなければ、種子は何十年でも眠ったままでいる。だから先触草は、地中の滑り面をなぞるように、斜面を横切る一本の細い帯になって現れる。滑りが速まった年は裂け目が増え、帯は幅を増して濃くなる。滑りが止まった年は新しい芽が出ず、帯は数年かけて薄れて消える。霧の朝、葉裏の銀白色がいっせいに風で翻ると、緑の斜面の中で帯だけが白く浮かび上がる。地面の下で起きていることが、地表に線となって描かれている。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「走り筋(はしりすじ)」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
0:00 / --:--
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
先触草 plate 1PLATE I
先触草 plate 2PLATE II
先触草 plate 3PLATE III
先触草 plate 4PLATE IV
先触草 plate 5PLATE V
先触草 plate 6PLATE VI
先触草 plate 7PLATE VII
先触草 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
台湾北部、雪山山脈の北縁にあたる深い谷の斜面。台風の雨をくり返し受け、地中深くの面がゆっくり滑りつづけている急斜面の、標高700〜1200mあたりにだけ帯状に生える。
Local name · 現地での呼び名
走り筋(はしりすじ)
Folklore · 現地伝承
現地では、この白い帯を走り筋と呼び、筋が去年より太くなった年は谷へ下りてはならないと言い伝えられてきた。筋が二本に分かれた年に大きな崩れが起きたという話が、いくつもの集落に残っている。
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発見地

Coordinates
4.8°N 117.6°E
台湾北部、雪山山脈の北縁にあたる深い谷の斜面
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記録

この草の帯が太くなった年、斜面が崩れます。

地中で滑っている面の真上にだけ、この草は芽を出すからです。

台湾北部、台風の雨をくり返し受ける深い谷の斜面。

地中十数メートルの面が、一年に数センチずつ谷へ滑っています。

滑る面の真上では土が引き伸ばされ、髪ほどの裂け目が開いては閉じます。

先触草の種は、この裂け目に左右へ引かれたときだけ殻が割れます。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Rimicola praemonens  R. Salvà, 1966
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › RimicolalesRimicolaceaeRimicola › praemonens
Voucher · 標本
AVF-097 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1969 年
Collector · 採集
Y. Aoki
1965-02-05
Synonym · 異名
Rimopsis praemonens H. Voss, 1963
Protologue · 原記載(ラテン)
Planta humilis, caule brevissimo, petalis albidis nitentibus, in loco aperto crescens. Typus: 台湾北部、雪山山脈の北縁にあたる深い谷の斜面. Species iam extincta.
Discovered / Described
1965 / 1966
草丈 Height
40〜60cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 16
開花期 Flowering
短い開花期(数日)
送粉 Pollination
風媒
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Rimicola属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
praemonens種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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