Archive of Vanished Flora
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宵提灯 Lychnocalyx vespertinus
Specimen · N°092 · 森

Lychnocalyx vespertinus

紙の灯りは、秋に骨だけ残して消えます。

FOUND 36.8°N 138.6°E · 東アジアの冷温帯、山地の落葉広葉樹林の林縁や沢沿いの半日陰  ·  ✝ EX · 最終確認 1973 年

宵提灯は、沢沿いの落葉樹林の林縁に生える低木。夏に小さな花を咲かせたあと、花のつけ根の萼が実を包んだまま風船のようにふくらみ、薄紙のような橙色の提灯となって枝先にいくつも吊り下がる。この萼は花が終わってからも成長を続ける性質を持ち、内側では丸い実がひとつ静かに熟していく。橙色はカロテノイド色素によるもので、膜が薄く乾くにつれ、光をよく透かすようになる。秋が深まると、葉脈のあいだのやわらかい組織だけが先に朽ちて溶け落ち、丈夫な筋である葉脈だけが残される。こうして提灯は、しだいに葉脈だけの籠へと変わり、透けた網の奥に橙の実が見えるようになる。やがて薄い紙は破れ、実は森の底へ落ちていく。あとに残るのは、骨のような籠ばかりだ。

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肖像

標本写真 / archival still
宵提灯
STILL · 標本写真

「森の吊り提灯」

この標本に動く記録は残されていません。静止した一枚に、その姿をとどめています。

ARCHIVAL STILLPLATESILENT
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
宵提灯 plate 1PLATE I
宵提灯 plate 2PLATE II
宵提灯 plate 3PLATE III
宵提灯 plate 4PLATE IV
宵提灯 plate 5PLATE V
宵提灯 plate 6PLATE VI
宵提灯 plate 7PLATE VII
宵提灯 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
東アジアの冷温帯、山地の落葉広葉樹林の林縁や沢沿いの半日陰。低木で、秋になると枝先にいくつもの橙色の萼を提灯のように吊り下げる。
Local name · 現地での呼び名
森の吊り提灯
Folklore · 現地伝承
現地では、宵提灯の紙が破れて葉脈だけの籠が枝に並ぶ頃を秋の終わりの合図とし、この籠が出そろった朝から森は冬支度に入ると語り継がれてきた。子どもたちは枝に残った提灯の数を数え、いくつ残っているかで里に雪が来る日を占ったという。
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発見地

Coordinates
36.8°N 138.6°E
東アジアの冷温帯、山地の落葉広葉樹林の林縁や沢沿いの半日陰
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記録

紙の提灯は、やがて骨だけを残して消えます。

薄紙のような萼が、葉脈だけを残して溶けるように朽ちていくからです。

東アジアの冷温帯、沢沿いの落葉樹の林縁。

花が終わると、萼がふくらみ、橙色の提灯となって枝先に吊り下がります。

中では小さな実が、透ける紙のなかで静かに熟していきます。

けれど秋が深まると、薄い膜は葉脈だけの籠になり、提灯は風に透けます。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Lychnocalyx vespertinus  M. Castellan, 1966
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › LychnocalyxalesLychnocalyxaceaeLychnocalyx › vespertinus
Voucher · 標本
AVF-092 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1973 年
Collector · 採集
E. Mori
1966-09-24
Synonym · 異名
Lychnocalyxopsis vespertinus K. Brandt, 1964
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba parva rosulata, foliis crassis glaberrimis, floribus parvis stellatis. Typus: 東アジアの冷温帯、山地の落葉広葉樹林の林縁や沢沿いの半日陰. Species iam extincta.
Discovered / Described
1966 / 1966
草丈 Height
5〜15 cm
生活形 Life form
低木〜小高木
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 30
開花期 Flowering
短い開花期(数日)
送粉 Pollination
風媒
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Lychnocalyx属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
vespertinus種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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