
紙の灯りは、秋に骨だけ残して消えます。
宵提灯は、沢沿いの落葉樹林の林縁に生える低木。夏に小さな花を咲かせたあと、花のつけ根の萼が実を包んだまま風船のようにふくらみ、薄紙のような橙色の提灯となって枝先にいくつも吊り下がる。この萼は花が終わってからも成長を続ける性質を持ち、内側では丸い実がひとつ静かに熟していく。橙色はカロテノイド色素によるもので、膜が薄く乾くにつれ、光をよく透かすようになる。秋が深まると、葉脈のあいだのやわらかい組織だけが先に朽ちて溶け落ち、丈夫な筋である葉脈だけが残される。こうして提灯は、しだいに葉脈だけの籠へと変わり、透けた網の奥に橙の実が見えるようになる。やがて薄い紙は破れ、実は森の底へ落ちていく。あとに残るのは、骨のような籠ばかりだ。

PLATE I
PLATE II
PLATE III
PLATE IV
PLATE V
PLATE VI
PLATE VII
PLATE VIII
紙の提灯は、やがて骨だけを残して消えます。
薄紙のような萼が、葉脈だけを残して溶けるように朽ちていくからです。
東アジアの冷温帯、沢沿いの落葉樹の林縁。
花が終わると、萼がふくらみ、橙色の提灯となって枝先に吊り下がります。
中では小さな実が、透ける紙のなかで静かに熟していきます。
けれど秋が深まると、薄い膜は葉脈だけの籠になり、提灯は風に透けます。