
この銀の草は、霧の水だけで生きています。
銀霧草は、土に根を張らない着生植物。樹の幹や岩の表面に短い付着器だけでそっと貼り付き、水も養分も根からは採らない。細い銀灰の葉を放射状に重ね、その一枚一枚が無数の細かな鱗片でびっしり覆われている。鱗片は乾いているあいだ光を白く跳ね返し、株全体が樹皮から浮き上がって見える。朝ごとに雲霧林の霧が流れ込むと、鱗片は空気中の水分をそのまま吸い込み、乾いた銀灰から透けた緑へと色を変えて葉が満ちていく。日が差して霧が引くと水はゆっくり抜け、葉はまた銀灰に戻って閉じる。土からも根からも切り離され、ただ流れる霧の水だけで葉をふくらませ、乾けば再び宙に浮くように銀へ戻る。地面に落ちても根を出すことはなく、幹や岩に留まったものだけが霧を飲みつづける。

PLATE I
PLATE II
PLATE III
PLATE IV
PLATE V
PLATE VI
PLATE VII
PLATE VIII
この銀の草は、霧の水だけで生きています。
土にも根にも頼らず、葉をおおう細かな鱗片で、空気の水をそのまま吸うからです。
中南米の雲霧林、霧が滝のように流れ込む尾根の、樹の幹。
銀霧草は土のない樹皮や岩肌に、短い付着器だけでそっと貼り付いています。
乾いた鱗片は光を白く跳ね返し、株はまるで宙に浮いているように見えます。
朝の霧が流れ込むと、鱗片は水を吸い込み、銀灰から透けた緑へと色を変えます。