
触れた瞬間だけ、この葉は姿を消します。
瞬伏草は、熱帯雨林の林床を這うように広がる高さ十数センチの小さな草。細い赤みを帯びた葉柄に小さな楕円形の小葉が羽のように整然と並び、ふだんは鮮やかな緑の羽葉を水平に大きく広げ、淡いクリーム色の小さな球形の花をまばらに咲かせる。小葉と葉柄の付け根には、水をたくわえてふくらんだ「葉枕」という関節があり、葉に触れたり雨粒や衝撃が伝わると、そこに電気の信号が走る。信号を受けた葉枕の細胞はいっせいに水を手放して張りを失い、小葉は次々に閉じ合わさって、葉全体が音もなくうなだれ垂れ下がる。わずか一、二秒の出来事だ。急に姿を変えることで葉をかじろうとする虫を驚かせて落とし、強い雨風から葉を守っていると考えられている。数分して水が戻ると、葉はゆっくりと、また元のように開いていく。

PLATE I
PLATE II
PLATE III
PLATE IV
PLATE V
PLATE VI
PLATE VII
PLATE VIII
触れた瞬間だけ、この葉は姿を消します。
わずかな刺激で、羽のような葉がいっせいに閉じてうなだれるからです。
東南アジア、ボルネオ島の熱帯雨林。光の差し込む明るい林床。
葉の付け根には水をたくわえた小さな関節があり、衝撃が伝わると一気に水を手放します。
張りを失った小葉は次々と閉じ合わさり、葉全体が音もなく地面へ垂れていきます。
けれど数分もすれば水が戻り、葉はゆっくりと、また開いていきます。