Archive of Vanished Flora
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水書草 Aquascripta rupium
Specimen · N°073 · 岩 · ▶ 動画あり

Aquascripta rupium

断崖に、誰かが白い線を引いたようにしか見えません。

FOUND 37.2°N 113.0°W · アメリカ南西部、ユタ州南部のコロラド高原  ·  ✝ EX · 最終確認 1987 年

水書草は、高さ5〜8cmほどの小さな多肉質の草。匙形の灰緑色の葉を重ね、淡い青をのぞかせる喉を持つ純白の小花を咲かせる。この草が根を張れる場所は、世界でただ一種類しかない。高原に降った雨は砂岩の中をゆっくりしみ下り、水を通さない固い地層にぶつかると、垂直な崖のある高さで外へ滲み出す。その厚さ数センチの、岩が黒く湿る帯。水書草はそこにしか生きられない。だから株は横へ横へと隣り合って列をつくり、花の季節、断崖には何十メートルも続く一本の水平な白い線が現れる。線の高さは崖の中の水位そのもので、雨の多い年は上がり、渇いた年は下がる。壁には昔の線の跡が細い棚となって何段も残り、いちばん新しい一段でだけ花が咲く。遠くから峡谷を見わたすと、赤い壁に誰かが白い線を引いたようにしか見えない。それは崖が自分で引いた、水の目盛りである。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「崖の水書き」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
水書草 plate 1PLATE I
水書草 plate 2PLATE II
水書草 plate 3PLATE III
水書草 plate 4PLATE IV
水書草 plate 5PLATE V
水書草 plate 6PLATE VI
水書草 plate 7PLATE VII
水書草 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
アメリカ南西部、ユタ州南部のコロラド高原。垂直に切り立つ赤橙色の砂岩壁の、地下水が滲み出すわずかな高さにだけ現れる。
Local name · 現地での呼び名
崖の水書き
Folklore · 現地伝承
現地では、白い線が高い年は泉が涸れないとされ、旅人は峡谷に入る前に崖の線の高さを見て、その年の水の在りかを読んだと語り継がれてきた。
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発見地

Coordinates
37.2°N 113.0°W
アメリカ南西部、ユタ州南部のコロラド高原
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記録

断崖に、誰かが白い線を引いたようにしか見えません。

けれどこれは花です。水の滲む高さが、そこにしか無いからです。

アメリカ南西部、コロラド高原の砂岩の峡谷。

高原に降った雨は岩の中をしみ下り、ある高さで崖の外へ滲み出します。

この草は、その厚さ数センチの湿った帯にしか根を張れません。

だから株は横へ横へと列をつくり、崖に一本の水平な線を描きます。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Aquascripta rupium  Y. Aoki, 1984
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › AquascriptalesAquascriptaceaeAquascripta › rupium
Voucher · 標本
AVF-073 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1987 年
Collector · 採集
Y. Aoki
1983-02-26
Synonym · 異名
Aquascriptopsis rupium T. Okabe, 1981
Protologue · 原記載(ラテン)
Planta humilis, caule brevissimo, petalis albidis nitentibus, in loco aperto crescens. Typus: アメリカ南西部、ユタ州南部のコロラド高原. Species iam extincta.
Discovered / Described
1983 / 1984
草丈 Height
5〜8cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 16
開花期 Flowering
撹乱(噴火・野火)の翌季
送粉 Pollination
小型の双翅目・膜翅目
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Aquascripta属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
rupium種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
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