Archive of Vanished Flora
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節封竹 Clausostachys tympanica
Specimen · N°072 · 霧

Clausostachys tympanica

叩けば、もう戻らない年の音だけが鳴ります。

FOUND 30.4°N 130.6°E · 日本南西部、霧のたちこめる照葉樹林の谷  ·  ✝ EX · 最終確認 1973 年

節封竹は、湿った谷の斜面に株立ちで直立する、中空の稈をもつ竹状の植物。稈は節でいくつもの部屋に仕切られ、節ごとの固い隔壁が内部の空気を密封する。ふつうの竹と同じく稈の中は空洞だが、この竹は年に一節ずつ伸び、そのたびに新しい隔壁が閉じて、その一年の空気を部屋の中に閉じ込める。だから古い株ほど、下の節には何年も前の空気が眠っている。節の外側にはぐるりと浅いくぼみがあり、雨が降ると段々の盃のように上から順に水を溜めていく。乾いた稈を叩くと、閉じた空気の柱が部屋の長さぶんだけ響き、長い部屋は低く、短い部屋は高く、節ごとに音の高さが変わる。パンフルートやマリンバが管の長さで音を決めるのと同じ理屈で、一本の稈が段の数だけの音階を、過ぎた歳月ぶんだけ刻んでいる。

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肖像

標本写真 / archival still
節封竹
STILL · 標本写真

「年笛」

この標本に動く記録は残されていません。静止した一枚に、その姿をとどめています。

ARCHIVAL STILLPLATESILENT
Narration · ナレーション音声
0:00 / --:--
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
節封竹 plate 1PLATE I
節封竹 plate 2PLATE II
節封竹 plate 3PLATE III
節封竹 plate 4PLATE IV
節封竹 plate 5PLATE V
節封竹 plate 6PLATE VI
節封竹 plate 7PLATE VII
節封竹 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
日本南西部、霧のたちこめる照葉樹林の谷。年間降水量の多い湿った沢沿いの、木漏れ日が差す苔むした岩がちの斜面にだけ、細い竿の株立ちで生える。
Local name · 現地での呼び名
年笛
Folklore · 現地伝承
現地では、稈を上から順に叩いてその一本が生きた歳の数を数える習わしがあり、いちばん下の節が鳴らす低い音は、まだ誰も吸ったことのない古い年の空気の声だと語り継がれてきた。
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発見地

Coordinates
30.4°N 130.6°E
日本南西部、霧のたちこめる照葉樹林の谷
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記録

叩けば、もう戻らない年の音だけが鳴ります。

節ごとの部屋に、その一年の空気がまるごと封じ込められているからです。

日本南西部、霧のたちこめる谷の竹林。

この竹は年に一節ずつ伸び、そのたびに新しい隔壁が閉じて、一年分の空気を稈の中に閉じ込めます。

節の外側の浅いくぼみには雨が溜まり、上から順に段々の盃となって水をたたえます。

乾いた稈を叩けば、閉じた空気の柱が部屋の長さぶんだけ響き、長い節は低く、短い節は高く鳴ります。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Clausostachys tympanica  M. Castellan, 1970
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › ClausostachysalesClausostachysaceaeClausostachys › tympanica
Voucher · 標本
AVF-072 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1973 年
Collector · 採集
E. Mori
1970-01-19
Synonym · 異名
Clausostachysopsis tympanica K. Brandt, 1968
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba parva rosulata, foliis crassis glaberrimis, floribus parvis stellatis. Typus: 日本南西部、霧のたちこめる照葉樹林の谷. Species iam extincta.
Discovered / Described
1970 / 1970
草丈 Height
5〜15 cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 14
開花期 Flowering
短い開花期(数日)
送粉 Pollination
風媒
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Clausostachys属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
tympanica種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 花期と結実

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