Archive of Vanished Flora
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時計輪蔓 Horologanthus cyclostephanus
Specimen · N°060 · 霧

Horologanthus cyclostephanus

この花が開くのは、一生に一度だけです。

FOUND 13.1°S 71.6°W · 南米アンデス東斜面の雲霧林、標高約1800m  ·  ✝ EX · 最終確認 2019 年

時計輪蔓は、アンデスの雲霧林で苔むした木々をよじ登るつる植物。巻きひげは枝に触れた側だけが縮んで巻きつき、体を持ち上げていく。つるの先に、手のひらほどの放射状の大輪をひとつ掲げる。花の中心では、糸状の副花冠が幾重もの環をなして重なり、朝の光と気温の上昇に合わせて外側の環から順に開く。その動きが、歯車が噛み合う時計のように見える。副花冠は蜜のありかを虫に示す道しるべで、環が開ききると花は受粉を待つ。虫が花粉を運んだ瞬間、花は老化を促すエチレンを出し、いちばん内側の環をゆっくり閉じる。役目を終えた花は、日暮れまでにしぼんで落ちる。受粉しなくても花が開いていられるのは一日だけ。だからこの花に、二度目の朝はない。

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肖像

標本写真 / archival still
時計輪蔓
STILL · 標本写真

「森の時計花」

この標本に動く記録は残されていません。静止した一枚に、その姿をとどめています。

ARCHIVAL STILLPLATESILENT
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
時計輪蔓 plate 1PLATE I
時計輪蔓 plate 2PLATE II
時計輪蔓 plate 3PLATE III
時計輪蔓 plate 4PLATE IV
時計輪蔓 plate 5PLATE V
時計輪蔓 plate 6PLATE VI
時計輪蔓 plate 7PLATE VII
時計輪蔓 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
南米アンデス東斜面の雲霧林、標高約1800m。霧が一日じゅう流れ、苔むした木々に湿った空気が滞る谷筋にだけ点在する。強い直射のない、やわらかな拡散光の環境を好むつる植物。
Local name · 現地での呼び名
森の時計花
Folklore · 現地伝承
現地では、この花の最後の環が閉じるのは誰かの願いが届いた証とされ、環の閉じた花に出会った者は、その日のうちに約束をひとつ果たすべきだと語り継がれてきた。
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発見地

Coordinates
13.1°S 71.6°W
南米アンデス東斜面の雲霧林、標高約1800m
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記録

この花が開くのは、一生に一度だけです。

受粉を終えた花が、最後の環を閉じて果てるからです。

南米アンデスの雲霧林、標高千八百メートル。

巻きひげのつるが霧の木々をよじ登り、放射状の大輪をひとつ掲げます。

幾重もの副花冠が、朝から歯車のように順ぐりに開いていきます。

虫が花粉を運んだその瞬間、いちばん内側の環が音もなく閉じます。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Horologanthus cyclostephanus  H. Voss, 2012
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › HorologanthalesHorologanthaceaeHorologanthus › cyclostephanus
Voucher · 標本
AVF-060 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 2019 年
Collector · 採集
E. Mori
2012-01-16
Synonym · 異名
Horologopsis cyclostephanus Y. Aoki, 2010
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba parva rosulata, foliis crassis glaberrimis, floribus parvis stellatis. Typus: 南米アンデス東斜面の雲霧林、標高約1800m. Species iam extincta.
Discovered / Described
2012 / 2012
草丈 Height
5〜15 cm
生活形 Life form
低木〜小高木
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 14
開花期 Flowering
短い開花期(数日)
送粉 Pollination
風媒
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
2,000〜2,800 m
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語源

学名の語源
Horologanthus属名 / GENUS
anth
cyclostephanus種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 石灰岩の根跡

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