Archive of Vanished Flora
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谷染藍 Chronanthus vallitinctus
Specimen · N°055 · 霧

Chronanthus vallitinctus

十数年にたった一度だけ、谷ひとつが一晩で色を変えます。

FOUND 11.4°N 76.6°E · 南インド西ガーツ、ニルギリ丘陵の高地草原(ショラ草原)、標高約2000mの斜面  ·  ✝ EX · 最終確認 2023 年

谷染藍は、高地の草原に生える細い多年生の草。ふだんは膝ほどの高さで緑の葉を茂らせるだけで花はつけない。同じ斜面の株はみな、一度の大量結実からいっせいに芽生えた同い年の仲間で、体の中で過ぎた季節の数を静かに数えている。十数年ぶんの季節が積もり、気温と日長がある条件に達した年、斜面じゅうの株がひとつの合図を分け合ってそろって蕾をひらく。蕾は前もって出そろっているため開花はわずか数日の窓に集中し、谷はひと晩で緑から藍へ反転して見える。花は小さな筒状で、青紫に淡い喉をのぞかせる。やがて種を落とすと株はそろって枯れ、色は跡形もなく消える。落ちた種は土の中で次の周期まで眠り、谷が再び染まるのはまた十数年も先になる。

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肖像

標本写真 / archival still
谷染藍
STILL · 標本写真

「谷を染める潮」

この標本に動く記録は残されていません。静止した一枚に、その姿をとどめています。

ARCHIVAL STILLPLATESILENT
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
谷染藍 plate 1PLATE I
谷染藍 plate 2PLATE II
谷染藍 plate 3PLATE III
谷染藍 plate 4PLATE IV
谷染藍 plate 5PLATE V
谷染藍 plate 6PLATE VI
谷染藍 plate 7PLATE VII
谷染藍 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
南インド西ガーツ、ニルギリ丘陵の高地草原(ショラ草原)、標高約2000mの斜面。何年も緑一色のまま茂り、十数年に一度だけ一斉に花をつける。
Local name · 現地での呼び名
谷を染める潮
Folklore · 現地伝承
現地では、谷が藍に染まる年を数えて人の齢を語り、この色を一生に何度見たかで過ぎた年月を数え合うという。谷が染まった年は季節がひと巡りした印とされ、次の藍までを暮らしの一区切りとして数えてきた。
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発見地

Coordinates
11.4°N 76.6°E
南インド西ガーツ、ニルギリ丘陵の高地草原(ショラ草原)、標高約2000mの斜面
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記録

十数年にたった一度だけ、谷ひとつが一晩で色を変えます。

昨日まで緑一色だった斜面が、朝には見わたすかぎりの藍に染まっています。

南インド西ガーツ、ニルギリ丘陵の高地草原。

斜面じゅうの株が同じ時計を分け合い、いっせいに花をひらきます。

けれど花が終わると、株はそろって枯れ、色は跡形もなく消えます。

次に谷が染まるのは、また十数年も先のこと。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Chronanthus vallitinctus  K. Brandt, 2016
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › ChronanthalesChronanthaceaeChronanthus › vallitinctus
Voucher · 標本
AVF-055 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 2023 年
Collector · 採集
N. Drei
2013-08-08
Synonym · 異名
Chronopsis vallitinctus C. Iwabuchi, 2011
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba perennis, rhizomate tenui, foliis linearibus, inflorescentia pauciflora. Typus: 南インド西ガーツ、ニルギリ丘陵の高地草原(ショラ草原)、標高約2000mの斜面. Species iam extincta.
Discovered / Described
2013 / 2016
草丈 Height
5〜15 cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 28
開花期 Flowering
短い開花期(数日)
送粉 Pollination
小型の双翅目・膜翅目
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Chronanthus属名 / GENUS
anth
vallitinctus種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 夕刻の送粉

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2026-06-24 · 泥中の休眠環

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