Archive of Vanished Flora
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焼根低木 Carbonirhiza nyctivora
Specimen · N°081 · 火

Carbonirhiza nyctivora

死んだ根に触れただけで、この木は夜型に変わります。

FOUND 32.3°S 24.5°E · 南アフリカ、東ケープ内陸部の半乾燥低木地  ·  ✝ EX · 最終確認 2024 年

焼根低木は、ひざ丈ほどの硬い枝をまばらに広げる地味な低木。厚く小さな灰緑の葉を密につけ、夕方に淡い乳白色の小花をいくつか開く。ふつうの低木は昼に光を浴びて呼吸をするが、この低木は二つの顔を持つ。乾いた地面に根を伸ばすうちに、過去の山火事で炭になった古い根に触れると、その日から昼ではなく夜に息をするようになる。炭から土へにじむかすかな化学の合図を、生きた根が読み取っているらしい。炭に触れていない株は昼型のまま、すぐ隣で炭に触れた株は夜型に切り替わる。だから同じ斜面で、昼に閉じて夜に開く株と、昼に開く株が混じり合う。火が消えてから何十年も経った今も、地中の黒い根が、生きた低木の一日の使い方を静かに決めている。なぜ死んだ根が生きた代謝を書き換えられるのか、まだ誰も説明できていない。

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肖像

標本写真 / archival still
焼根低木
STILL · 標本写真

「火を覚えている木」

この標本に動く記録は残されていません。静止した一枚に、その姿をとどめています。

ARCHIVAL STILLPLATESILENT
Narration · ナレーション音声
0:00 / --:--
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
焼根低木 plate 1PLATE I
焼根低木 plate 2PLATE II
焼根低木 plate 3PLATE III
焼根低木 plate 4PLATE IV
焼根低木 plate 5PLATE V
焼根低木 plate 6PLATE VI
焼根低木 plate 7PLATE VII
焼根低木 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
南アフリカ、東ケープ内陸部の半乾燥低木地。かつて山火事が繰り返し走った砂礫質の礫地に点在し、過去の火災で炭になった古い根が地中に残る斜面にだけ根を下ろす。
Local name · 現地での呼び名
火を覚えている木
Folklore · 現地伝承
現地では、夜にだけ花を開く株は古い焼け跡の真上に立つとされ、この木が夜咲きに変わった斜面は昔そこで大きな火が走った証だと語り継がれてきた。羊飼いは夜咲きの株を目印に、地中に隠れた古い炭の道をたどったという。
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発見地

Coordinates
32.3°S 24.5°E
南アフリカ、東ケープ内陸部の半乾燥低木地
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記録

死んだ根に触れただけで、この木は夜型に変わります。

昼に息をしていた低木が、ある日から夜にしか息をしなくなるからです。

南アフリカ、東ケープ内陸部の乾いた礫地。

かつて山火事が走り、炭になった古い根が今も地中に眠っています。

生きた根がその黒い炭に触れると、合図を読み取り、昼型から夜型へ切り替わります。

炭に触れていない隣の株は、昼に花を開いたままです。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Carbonirhiza nyctivora  A. Reinholt, 2022
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › CarbonirhizalesCarbonirhizaceaeCarbonirhiza › nyctivora
Voucher · 標本
AVF-081 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 2024 年
Collector · 採集
Y. Aoki
2021-10-01
Synonym · 異名
Carbonirhizopsis nyctivora L. Fontaine, 2019
Protologue · 原記載(ラテン)
Planta humilis, caule brevissimo, petalis albidis nitentibus, in loco aperto crescens. Typus: 南アフリカ、東ケープ内陸部の半乾燥低木地. Species iam extincta.
Discovered / Described
2021 / 2022
草丈 Height
5〜15 cm
生活形 Life form
低木〜小高木
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 32
開花期 Flowering
夜明け前〜早朝の数時間
送粉 Pollination
夜行性の小型蛾
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Carbonirhiza属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
nyctivora種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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