
石にしか見えないこの粒は、植物です。
隠れ石花は、地表に対の多肉葉だけをのぞかせる小さな多肉植物。二枚の厚い葉は丸く融合して石の形をつくり、灰褐色の斑と鈍い艶で周囲の小石と見分けがつかない。触れて初めて、それが冷たい石ではなく水を含んだ葉だと気づく。この擬態は、乏しい草を探す草食動物の目から身を守るためのものだ。乾季になると株は蓄えた水を使い果たしてしぼみ、収縮する根が本体を土中へ引き込む。舞い上がった砂がその上を覆い、地面はただの礫原に戻って、株はほとんど見えなくなる。やがて雨が地中まで届くと、葉はふたたび水を吸って膨らみ、二枚の葉の合わせ目の割れ目から短い茎が一本だけ伸びる。その先に、株の直径ほどもある一輪の白い花が開く。花は数日で閉じ、株はまた石の姿に戻って、次の雨まで動かない。

PLATE I
PLATE II
PLATE III
PLATE IV
PLATE V
PLATE VI
PLATE VII
PLATE VIII
石にしか見えないこの粒は、植物です。
まわりの小石そっくりに化けて、動物の口から身を隠しているからです。
南部アフリカ、石英の礫が広がる乾いた平原。
二枚の厚い葉が石の形に融け合い、鈍い斑まで周囲の石を真似ています。
乾季になると株は水を使い果たし、収縮する根が本体を土の中へ引き込みます。
砂に覆われて、地面はただの礫原に戻ります。