
この溶岩で、最初に咲くのはこの花だけです。
岩咲きは、高さ8〜15cmの低いクッション状の植物。冷えた黒い溶岩の細い割れ目に根を差し込み、小さな革質の濃い緑の葉を密に重ねる。そこから、濃い桃色の小さな星形の花を房状に咲かせる。
PLATE I
PLATE II
PLATE III
PLATE IV
PLATE V
PLATE VI
PLATE VII
PLATE VIII
この溶岩で、最初に咲くのはこの花だけです。
ほかに、緑はひとつも見当たりません。
アイスランドの、新しい溶岩原。
火山が流し、冷えて固まった、黒い大地です。
岩咲きは、その細い割れ目に根を差し込みます。
革質の濃い緑の葉を重ね、濃い桃色の小さな星形の花を咲かせます。
6月下旬、割れ目の南面だけで濃桃色の星形花を認めた。花は三日ほどで褪せ、萼だけが黒い礫に沈む。遠目には逸出したムシトリナデシコ類、湿った窪地では小型のサクラソウ類と記された可能性が高い。噴火後数年の裸地に限るなら、通常の植物相調査が入る頃には既に葉塊だけとなる。
花冠は開くが、葯は柱頭に近く、風の強い日には閉じたまま結実する株もあった。晴天の午後だけ、海岸低地から上がる小型のハエ類が花房を短く訪れるらしいが、これに頼る構造ではない。種子は軽く、乾くと蒴果からこぼれ、突風で跳ねて冷えた亀裂の底へ落ちる。群落は面ではなく、線状にまばらである。
根は深く広がらず、細根は凝灰質の粉と風成塵がたまる浅い段に集中する。革質葉と低いクッション形は乾燥風と夜間冷却を避けるための姿で、濃桃色は誘引だけでなく強い紫外線下のアントシアニン蓄積とも見える。古い溶岩で蘚苔類やイネ科草本が増すと、発芽床は失われる。休眠種子で次の裸地を待つ短命な先駆植物と考えられる。