Archive of Vanished Flora
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時層クッション Pulvina chronostrata antisanensis
Specimen · N°049 · 氷 · ▶ 動画あり

Pulvina chronostrata antisanensis

ひとつの株のなかに、いくつもの時間が眠っています。

FOUND 0.5°S 78.1°W · エクアドル、アンティサナ山麓のパラモ湿地  ·  ✝ EX · 最終確認 2005 年

時層クッションは、直径30〜40cmほどの半球形クッションをつくる高山植物。無数の小さな深緑のロゼットが密に重なり合い、地面に低く張りついたドームを形づくる。クッションの中心部はやや褪せた淡い琥珀色の古い組織で、外縁にいくほど鮮やかな新緑の若い層に変わり、縁の近くには小さな淡いクリーム色の星形の花が点々と咲く。夜間の凍結が表面を覆うあいだ、外側の成長点は休み、中心部だけが静かに組織を保ち続ける。こうして一つの株のなかに、中心の古い世代と外縁の若い世代という、異なる時間の層が同居する。パラモのどこかでは必ず生きているのに、ひとつの株のなかでは、いくつもの時間が重なったまま消えていく。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「時を抱く石」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
時層クッション plate 1PLATE I
時層クッション plate 2PLATE II
時層クッション plate 3PLATE III
時層クッション plate 4PLATE IV
時層クッション plate 5PLATE V
時層クッション plate 6PLATE VI
時層クッション plate 7PLATE VII
時層クッション plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
エクアドル、アンティサナ山麓のパラモ湿地。標高約4000mの冷涼な高地湿原で、夜ごと表面が凍りつく水気の多い泥炭地にだけ、低く張りついて育つ。
Local name · 現地での呼び名
時を抱く石
Folklore · 現地伝承
現地では、時層クッションの中心ほど古い時間が眠っているとされ、急いではならぬことを思い出させる山の標として語り継がれてきた。
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発見地

Coordinates
0.5°S 78.1°W
エクアドル、アンティサナ山麓のパラモ湿地
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記録

ひとつの株のなかに、いくつもの時間が眠っています。

中心と外縁では、生きている世代が違うのです。

エクアドル、アンティサナ山麓のパラモ湿地。

夜ごと表面が凍りつく、冷たい泥炭地です。

凍結のあいだ、外側の成長点は静かに休みます。

そして中心部だけが、ひとり時間を保ち続けます。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Pulvina chronostrata antisanensis  N. Drei, 2002
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › PulvinalesPulvinaceaePulvina › chronostrata
Voucher · 標本
AVF-049 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 2005 年
Collector · 採集
Y. Aoki
2001-02-20
Synonym · 異名
Pulvinopsis chronostrata M. Castellan, 1999
Protologue · 原記載(ラテン)
Planta humilis, caule brevissimo, petalis albidis nitentibus, in loco aperto crescens. Typus: エクアドル、アンティサナ山麓のパラモ湿地. Species iam extincta.
Discovered / Described
2001 / 2002
草丈 Height
5〜15 cm
生活形 Life form
ロゼット状の多年草
葉序 Phyllotaxy
根生葉(ロゼット)
染色体数 Chromosome
2n = 16
開花期 Flowering
夜明け前〜早朝の数時間
送粉 Pollination
夜行性の小型蛾
基質・pH Substrate
酸性泥炭 (pH 3.8〜4.5)
標高 Elevation
2,400〜3,000 m
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語源

学名の語源
Pulvina属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
chronostrata種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 霜解けの花期

夜明け前は周囲のAzorella状クッションや泥炭の霜柱と見分けがつかない。花は霜が引いた正午前後の二、三時間だけ開き、晴天が続いた年でも三、四日に満たない。古い採集票にWerneriaまたはPlantagoとして残る小片は、外縁のロゼットだけを押し葉にしたものらしく、中心の琥珀色層を伴わないため同定を逃したのだろう。

2026-06-24 · 泥炭亀裂の実生

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