Archive of Vanished Flora
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ひあがり星 Stellatia donianensis
Specimen · N°034 · 水 · ▶ 動画あり

Stellatia donianensis

消えたのではなく、水の下で待っていました。

FOUND 37.0°N 6.4°W · スペイン、ドニャーナ国立公園の地中海性一時池  ·  ✝ EX · 最終確認 2009 年

ひあがり星は、高さ10cmほどの小型植物。明るいオリーブ緑の肉厚な葉を地面すれすれに広げ、淡い赤みを帯びた短い茎の先に、淡い藤色の星形の花をひとつ咲かせる。窪地が満水のあいだ、この植物は地表からまったく見えない。水中で炭素を濃縮して蓄え、池が干上がってひび割れた泥が現れた直後、蓄えを一気に使って数週間で芽を出し、花を咲かせる。消えていたのではなく、水の下で次の乾きに備えていた。乾いた泥が再び水に沈むまでのわずかな期間だけ群落をつくり、また長い眠りに戻る。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「水がひいたあとの星」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
0:00 / --:--
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
ひあがり星 plate 1PLATE I
ひあがり星 plate 2PLATE II
ひあがり星 plate 3PLATE III
ひあがり星 plate 4PLATE IV
ひあがり星 plate 5PLATE V
ひあがり星 plate 6PLATE VI
ひあがり星 plate 7PLATE VII
ひあがり星 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
スペイン、ドニャーナ国立公園の地中海性一時池。数年に一度しか満水にならない窪地が干上がった直後、ひび割れた泥の上にだけ現れる。
Local name · 現地での呼び名
水がひいたあとの星
Folklore · 現地伝承
現地では、ひあがり星が咲いた窪地は長く水をたたえたあとに干上がった場所だと知られ、池が満ちて引く長い周期を読む印として語り継がれてきた。
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発見地

Coordinates
37.0°N 6.4°W
スペイン、ドニャーナ国立公園の地中海性一時池
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記録

消えたのではなく、水の下で待っていました。

何年も、地表からはまったく見えません。

スペイン、ドニャーナ国立公園の一時池。

数年に一度しか満ちない窪地が、ようやく干上がります。

ひび割れた泥が現れた直後、ひあがり星は芽を出します。

水中で炭素を蓄え、乾いた瞬間に一気に使って花を咲かせます。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Stellatia donianensis  L. Fontaine, 2006
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › StellatialesStellatiaceaeStellatia › donianensis
Voucher · 標本
AVF-034 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 2009 年
Collector · 採集
T. Okabe
2004-11-23
Synonym · 異名
Stellatiopsis donianensis R. Salvà, 2002
Protologue · 原記載(ラテン)
Suffrutex nanus, foliis imbricatis, floribus solitariis nocte apertis. Typus: スペイン、ドニャーナ国立公園の地中海性一時池. Species iam extincta.
Discovered / Described
2004 / 2006
草丈 Height
10cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 34
開花期 Flowering
短い開花期(数日)
送粉 Pollination
風媒
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
0〜15 m
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語源

学名の語源
Stellatia属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
donianensis種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 干上がり直後の開花

池底が露出して三日目、粘土の多角形亀裂に沿って最初の芽が見えた。花は日中に開くが、葯は開花前から柱頭に触れており、自家受粉で結実を始めるらしい。風の弱い午後には小型のハナバチとハエが一、二度訪れ、群落内の花粉をわずかに運ぶ。短い季節に頼る植物として、他者を待たない仕組みを先に備えている。

2026-06-24 · 砂丘間低地の泥

ドニャーナの周囲は砂が卓越するが、この窪地の底だけは細粒の粘土と腐植が薄く溜まり、水を逃がしにくい。満水期には暗い底泥に有機物と溶存炭素が集まり、乾燥に転じると収縮して硬い亀裂を作る。ひあがり星の列はその割れ目に従い、砂地ではなく、不透水層が最後まで湿りを残した線をなぞっていた。

2026-06-24 · 水面下の不在

満水時に水面を探しても葉は見えない。泥を浅く割ると、前年の株跡の下に短い肥厚茎があり、白い休眠芽と粉質のデンプンを含んでいた。水中では伸びず、薄い膜状の組織で底泥に伏せ、光よりも貯蔵を優先するようだ。再び水が差すころ、地上部は崩れるが、種子と休眠芽は泥中に残り、次の乾きを待つ。

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