
叩いた時だけ、この木は声を出します。
Soundboard Buttress Treeは、熱帯Rain林にそびえる高さ五十メートル級の巨木。地際で根が薄い板となって立ち上がり、幹の脚から扇のように放射する板根の壁をつくる。Waterを含んだやわらかな林床では幹を支えきれず、板根は引っぱりに耐える側——年間を通じて同じ向きに吹く卓越Windの側——へ大きく非対称に発達する。Wind上の板は幅数メートル、厚さ数センチの一枚板となり、乾いた楽器の響板のように低い音をよく通す。人がこぶしや棒で叩くと板全体が振動して低くうなり、その響きは湿った森の空気に乗って谷の向こうまで届く。強いWindに幹が揺れる日には、張りつめたWind上の板がひとりでにかすかに鳴ることもある。けれど叩き手が去れば森はまた静まり、木は物言わぬ一本の樹に戻る。

PLATE I
PLATE II
PLATE III
PLATE IV
PLATE V
PLATE VI
PLATE VII
PLATE VIII
叩いた時だけ、この木は声を出します。
薄く張り出した板根が、楽器の響板のように震えるからです。
中部アフリカ、卓越Windの吹き上げる熱帯Rain林。
幹の脚から扇のように、板の壁が放射しています。
Wind上の板ほど大きく、幅は数メートル、厚さはわずか数センチ。
こぶしで叩くと板全体が低くうなり、その音は谷の向こうまで渡ります。