Archive of Vanished Flora
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読み分け低木 Serpentivora insularis
Specimen · N°047 · 鉱物 · ▶ 動画あり

Serpentivora insularis

すぐ隣の岩へ移すと、もう育ちません。

FOUND 20.4°N 75.0°W · キューバ東部、モア近郊の蛇紋岩性低木林  ·  ✝ EX · 最終確認 1985 年

読み分け低木は、高さ20cmほどのクッション状の小低木。青灰色の小さな革質の葉を密に重ね、葉の縁は銅色に染まる。短い枝先に、蝋のような淡い黄緑色の小花を固く寄せて咲かせる。赤褐色の蛇紋岩がむき出しになった露頭に根を張り、岩ごとに違うニッケルやマグネシウムの比率を根で読み分け、それぞれ別の根圏微生物を呼び寄せて育つ。数メートル離れた隣の露頭へ株を移しても、そこでは根づかない。だから群落は岩の境目で途切れ、分布は細かな島のように点在する。森全体では珍しくないのに、ひとつの露頭の群れは、その岩の上だけのものだ。

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肖像

縦型のまま / tap to play
FULL FILM · SNSにも公開

「岩読みの茂み」

この記録映像は縦型(9:16)で制作され、SNSにも公開されています。アーカイブでは原寸の比率のまま収蔵します。

9:16 VERTICALFULL EDITSOUND ON
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · ホバーで拡大
読み分け低木 plate 1PLATE I
読み分け低木 plate 2PLATE II
読み分け低木 plate 3PLATE III
読み分け低木 plate 4PLATE IV
読み分け低木 plate 5PLATE V
読み分け低木 plate 6PLATE VI
読み分け低木 plate 7PLATE VII
読み分け低木 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
キューバ東部、モア近郊の蛇紋岩性低木林。赤褐色に風化した蛇紋岩の露頭の上、金属を多く含む薄い土だけに点々と生える。
Local name · 現地での呼び名
岩読みの茂み
Folklore · 現地伝承
現地では、読み分け低木が生える岩はその下の土が他と違うと知られ、株のある露頭とない露頭を見分けて道や畑の境を決める目印として語り継がれてきた。
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発見地

Coordinates
20.4°N 75.0°W
キューバ東部、モア近郊の蛇紋岩性低木林
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記録

すぐ隣の岩へ移すと、もう育ちません。

同じ森の、同じ見た目の岩なのに。

キューバ東部、モア近郊の蛇紋岩の低木林。

読み分け低木は、金属を多く含む薄い土の露頭にだけ生えます。

青灰色の葉を密に重ね、縁は銅色に染まります。

この茂みは、岩ごとに違う金属の比率を根で読み分けているのです。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Serpentivora insularis  R. Salvà, 1978
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › SerpentivoralesSerpentivoraceaeSerpentivora › insularis
Voucher · 標本
AVF-047 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1985 年
Collector · 採集
N. Drei
1975-12-06
Synonym · 異名
Serpentivoropsis insularis H. Voss, 1973
Protologue · 原記載(ラテン)
Herba perennis, rhizomate tenui, foliis linearibus, inflorescentia pauciflora. Typus: キューバ東部、モア近郊の蛇紋岩性低木林. Species iam extincta.
Discovered / Described
1975 / 1978
草丈 Height
20cm
生活形 Life form
低木〜小高木
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 36
開花期 Flowering
撹乱(噴火・野火)の翌季
送粉 Pollination
風媒
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Serpentivora属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
insularis種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 花期と見落とし

三月末の小雨のあとだけ、枝先の淡黄緑色が一斉にほどける。五日も経つと花被は蝋片のように縮み、青灰色の葉に紛れて、近縁の蛇紋岩性低木とほとんど区別がつかない。採集票にはしばしば「乾いた矮性低木」とだけあり、根を失った押し葉ではこの植物の肝心な性質が消えてしまう。

2026-06-24 · 実生の選別

結実は多いが、遠くへ運ばれる種子は少ない。熟した果実は乾くと裂け、黒い細粒の種子を同じ露頭の割れ目へ落とす。強い驟雨のあと、種子は赤褐色の岩肌を数十センチだけ流れ、微生物膜の残る窪みに集まる。発芽そのものは容易らしいが、適合しない岩では第一葉の展開前に根端が褐変して止まる。

2026-06-24 · 境界の目印

モア近郊では、株のある岩を mata que lee la piedra と呼ぶ者があり、畑を広げる前にその有無を見るという。読み分け低木の群れが急に途切れる線は、土の薄さだけでなく、作物の根が焼けるように弱る場所を示していた。鉱石を掘る者には目立たぬ低木でも、畑と道を決める者には、蛇紋岩の違いを読ませる実用の印だった。

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