Archive of Vanished Flora
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分け根草 Bifidoradix troodosensis
Specimen · N°042 · 鉱物

Bifidoradix troodosensis

ひとつの株なのに、地下では正反対のことをしています。

FOUND 34.9°N 32.9°E · キプロス、トロードス山地の旧銅鉱山  ·  ✝ EX · 最終確認 1981 年

分け根草は、高さ10cmほどの低いクッション状の植物。鈍い青緑色の小さな多肉質の葉を密に重ね、短い茎の先に錆びた橙色の星形の小花をつける。蛇紋岩の砕けた岩屑の上に、淡い灰白色の根を蜘蛛の巣のように広げて張りつく。その根系はひとつの個体の中で二手に分かれていて、片方の根は金属を多く含む岩へ伸びてそれを取り込み、もう片方の根はその金属をかたくなに避けて水だけを吸う。地下に正反対のふるまいをする根を同時に持ちながら、地上ではひとつの静かな株として咲く。

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肖像

標本写真 / archival still
分け根草
STILL · 標本写真

「二心の草」

この標本に動く記録は残されていません。静止した一枚に、その姿をとどめています。

ARCHIVAL STILLPLATESILENT
Narration · ナレーション音声
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標本図版

8 枚 · クリックで拡大
分け根草 plate 1PLATE I
分け根草 plate 2PLATE II
分け根草 plate 3PLATE III
分け根草 plate 4PLATE IV
分け根草 plate 5PLATE V
分け根草 plate 6PLATE VI
分け根草 plate 7PLATE VII
分け根草 plate 8PLATE VIII
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観察ノート

Habitat · 発見地
キプロス、トロードス山地の旧銅鉱山。蛇紋岩がむき出しになった、重金属を多く含む荒れた採掘跡の斜面にだけ根を下ろす。
Local name · 現地での呼び名
二心の草
Folklore · 現地伝承
現地では、分け根草が生えた地面には毒のある岩と清い水が隣りあって眠っていると言われ、この草の下を掘る者は両方を見分ける覚悟がいる、と語り継がれてきた。
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発見地

Coordinates
34.9°N 32.9°E
キプロス、トロードス山地の旧銅鉱山
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記録

ひとつの株なのに、地下では正反対のことをしています。

片方の根は毒を取り込み、片方の根は毒を避けます。

キプロス、トロードス山地の旧銅鉱山。

重金属がしみ込んだ蛇紋岩の、荒れた採掘跡にだけ根を下ろします。

分け根草は、淡い根を岩屑の上に蜘蛛の巣のように広げます。

ある根は金属の岩へ伸び、ある根はそれをかたくなに避けて水だけを吸います。

More分類・学名・語源などの詳しい標本データ
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分類

分類・標本データ
Scientific name · 学名
Bifidoradix troodosensis  M. Castellan, 1978
Taxonomy · 分類
植物界 › 被子植物門 › 双子葉植物綱 › BifidoradixalesBifidoradixaceaeBifidoradix › troodosensis
Voucher · 標本
AVF-042 · Holotype
Archive of Vanished Flora (AVF)
Conservation · 保全状況
✝ EX — 絶滅 最終確認 1981 年
Collector · 採集
T. Okabe
1976-07-25
Synonym · 異名
Bifidoradixopsis troodosensis K. Brandt, 1974
Protologue · 原記載(ラテン)
Suffrutex nanus, foliis imbricatis, floribus solitariis nocte apertis. Typus: キプロス、トロードス山地の旧銅鉱山. Species iam extincta.
Discovered / Described
1976 / 1978
草丈 Height
10cm
生活形 Life form
多年草
葉序 Phyllotaxy
互生
染色体数 Chromosome
2n = 26
開花期 Flowering
撹乱(噴火・野火)の翌季
送粉 Pollination
小型の双翅目・膜翅目
基質・pH Substrate
礫質・ほぼ中性
標高 Elevation
200〜1,200 m
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語源

学名の語源
Bifidoradix属名 / GENUS
語源は記録に残っていない
troodosensis種小名 / EPITHET
語源は記録に残っていない
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関連標本

同じ環境の標本

観察記録の追補

再訪と追記
2026-06-24 · 春花と小型ハナアブ

四月上旬、坑口下の蛇紋岩屑がまだ湿りを保つ朝にだけ、橙色の星形花はよく開いた。花冠の内側には薄い蜜の膜があり、体長数ミリの小型ハナアブ類が低く飛んで株間を渡る。風の強い午後には訪花が途絶えるため、結実は斜面の風裏に偏るらしい。裸地の先駆者というより、春の短い水分窓に合わせた鉱山跡の残存専門種と見るべきである。

2026-06-24 · 重い種子と狭い群落

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2026-06-24 · 標本に残らない根

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